創作は、自分の中にある、自身と人やこの世界と向き合ってきたことを、自分の中に自分でずぶずぶと入り取り出して、それを踊りでの形にする、というワークをより突き詰めることでもあって。
すると、生まれてからずっとある、人がみんな幸せなのが良い、という(言葉にしてしまうとあまりにも薄っぺらい感じがするけれど)想いを改めて強く感じ直すことに…。
そしてその想いを具現化するには、この世にはあらゆるやり方があるのだと思います。
私には、踊りという方法で。理屈ではなく…。
創作を始めたのは、2009年で、大地震が起きたのは2011年。
津波の画像を見て、そこにいるのは私だ、と思いました。
この文章おかしいようですが、その通りに感じました。
たまたま、本当にたまたま自分は画像の外にいるだけなんだと。
涙が止まりませんでした。
そして、その時に、その場所にいる人たちに今大事なのは、食べ物や住む場所で、私が直接すぐに役に立てるようなことはなにもないんだな、と改めて痛感させられました。
自分の無力さを、改めて、圧倒的に、感じさせられました。
それでもやっぱり今迄のように、自分にできることを精一杯するだけ、命がなくなる時まで、ただ自分のままに生きる、そのことでしか、人に伝えたい想いは伝えられない、と思い、創作を続けました。
そのことで、人を幸せにしたい、なんて思うのも全くおこがましく、ただ心や魂を込めて全ての力を出し切るだけなのだけれど、観てださったたくさんの方が、「人生について考えました」とか、「楽しかった、また次回を楽しみにしています」とか「温かい気持ちになりました」などの色々な感想を伝えてくださり、また、一緒に踊ってくださる出演者の方が、また踊りたい、楽しみにしています、と言ってくださり、人にこの世界に、深い感謝の気持ちを抱きます。
クラスでも同じで、楽しさと共に(たまに苦しいことも乗り越えられつつ)一緒にレッスンに取り組まれている受講者のみなさんから、いつも力をいただいています。
震災自体のことも、被災地に住んでいる方達のことも、いつもすぐそこにあるし、日本だけではなく世界で起きていることも私にはすぐ近くに感じられます。他人事、とは思えません。
だからこそ、それらの中にある一人ひとりの方の心や状況を自分なりに受け止め感じながら、では自分はどうしたいのか、どうしたら良いのか、を考えつつ、自分がやりたいこと出来ることを精一杯やるのみ、です。
それは何かしら、人に伝わって、心に届くことを願って……。
そして心から楽しみます。
岩沢彩