記憶

天候と共に湿度や気温が変わると、外に出た時の空気の匂いも変わります。

雨で湿った土や草の匂い、晴れた日には潮の香りや太陽に熱されたアスファルトの化学的な匂いやその隙間に花や木々のそれがふんわり吹く風に乗ってきたり…。

それらの様々な匂いは様々な記憶と結びついていて、匂いを感じた一瞬で過去に引き戻され、実際にその過去の瞬間に現在の自分が存在しているかのように、その光景やその時の色とりどり様々な気持ちも一緒にくっきりと蘇ります。

と同時に、胸の辺りや、こめかみ、みぞおちからおなかの辺りが、縮むような、漂って広がるような、何とも言えない身体状態に。

それらの場所は、心臓や脳や胃腸のある、命に関わる大事な場所。

 

記憶(思い出)というものが、自分の身体、現在の生き様、にとても深く関わっているのだと、そのようなことからも改めて…。

 

 

その、記憶、というものが、踊る時や作品を創る時の想像と創造の深さや広がりなど…に大きく関わります。

 

 

記憶というものは、日々一瞬一瞬が積み重なって出来るもの。

 

いつでもどんな記憶も、蓋をしたくない…。

 

そして、そこから、今から先を、どうしていくのかを感じ考え、行動へと…

上手く生きる、とか、得して(得していると世間で判断されることをして)生きる、とか、ではなくて、ただ、心を大事に一瞬一瞬を生きることと同時に、大事なことを未来に向かって積み重ねていきたい、という芯を見失わずに生きるという…。

 

 

 

うちの猫は天候に合わせて(自然に)いつでもマイペース♪

 

 

 

 

岩沢彩